なぜわが国はアメリカの要求を受け入れ続けているのでしょうか。国の守りをアメリカに依存しているからです。
わが国の防衛はアメリカに依存しているため、仮にアメリカが日本に意地悪をしようと思えば、何でもできてしまいます。自衛隊の戦闘機、ミサイルシステム、情報交換装置をはじめ、日本の防衛装備はアメリカのシステムとアメリカの暗号を使用しています。
暗号をセットしなければ、戦闘機同士の空中での交信、戦闘機と地上のミサイル部隊との交信もできません。自衛隊は、アメリカから提供された暗号をそのまま使用しているのです。
アメリカは戦闘機にしろ、ミサイルシステムにしろ、最新鋭のものは日本に供与しません。戦闘機やミサイルシステムの能力の半分以上はソフトウェアで決まります。アメリカが日本に戦闘機などをリリースする際、低い能力のソフトウェアを搭載してリリースするのです。防衛装備を外国に供与する際には、アメリカに限らず、フランスやロシアなどもそのようにしています。自分の国と同じ能力のものは決して外国に輸出しないのは当然です。
したがって、わが国は世界一の戦闘機やミサイルシステムを国産で開発するしかないということです。しかし、日本が国産しようとすると、アメリカは全力でそれを妨害してきます。
敗戦から30年後の1975年に、国産のジェット戦闘機F1が初飛行しました。当時、わが国のエンジンの製造能力は不十分だったため、ロールスロイスのエンジンを使用しましたが、機体の設計その他は全て三菱重工業を中心に進めました。
ところが、1980年代後半、航空自衛隊がF1の後継機としてF2を国産で開発をしようとしたところ、アメリカから猛烈な横やりが入ったのです。
アメリカは、日本の軍事技術が相当進歩しており、それを放置すれば、自動車分野と同様にやがて日本に凌駕されてしまうという警戒感を抱いたのでしょう。
当時、航空自衛隊は、戦闘機3機種使用していましたが、2機種はアメリカの戦闘機のライセンス生産で、1機は国産で生産する方針でした。ライセンス国産は、アメリカから図面だけを購入し、日本で製造する方式です。ライセンス生産の場合には、アメリカで製造した戦闘機を購入するより、2倍コストがかかります。もちろん、国産化するためには、国内に戦闘機の製造施設を建設する必要があり、コストはかかります。
いずれにせよ、国産のジェット戦闘機を作れなければ、アメリカに従属した体制から抜けられないと分かっていながら、国産化を断念したのです。
なぜそのような事になったのでしょうか?それには政治の力が大きく影響しているのです。次回はその理由詳細について述べてみたいと思います。