航空自衛隊は、国産化を主張しましたが、中曽根総理から日米共同開発にしろという命令が出たのです。当時は、「ロン・ヤス関係」と呼ばれたように、レーガン大統領と中曽根総理の関係が強固な時代でした。アメリカの意向を受け入れる形で、中曽根総理は日米共同開発を決断したということです。
我々は涙を流して悔しがりました。戦後、40年かけて国産戦闘機の開発に努力してきたにもかかわらず、一歩後退してしまいました。
そして現在は、最新鋭戦闘機F35をアメリカから購入しています。F2後継機のF3は、イギリスとイタリアと組んで国産開発とするということになっています。イタリア、イギリスと組んだのは、アメリカが入ってこられないようにするためなのかもしれません。しかし、完全に国産で作らなければ、最新鋭の技術は獲得できません。
国産を推進し、やがて主要なものは全て国産で製造できるようにしなければ、自衛隊は自立できません。自衛隊の自立ができないということは、国家の自立ができないということです。いかに強い自立心を持っていても、軍事力を握られたままでは国家は自立できません。
このような話をすると「反米だ」と批判する人がいますが、私は別に「反米」ではなく、国家の自立のために必要なことを主張しているだけです。
国家の自立はすぐには実現できません。20年、30年かけて自立するために、一歩ずつ舵を切っていくしかありません。その時、最初にやることが戦闘機やミサイルシステムなど主要な防衛装備品の国産化だということです。